【Bリーグ/Wリーグへ挑むチャレンジャー】皇后杯1回戦で格上の三菱電機 コアラーズへ挑む秋田銀行の原動力「ヘッドコーチを古巣と対戦させたい」
2025年12月22日
異なるカテゴリーが一堂に会する「第101回天皇杯・第92回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会 ファイナルラウンド」は、学生時代に苦楽をともにした仲間たちとコート上で再会できる特別な舞台です。2023年皇后杯セカンドラウンドでは、同じく秋田県を拠点とするWリーグのプレステージ・インターナショナル アランマーレに1点差で勝利。Wリーグチャンピオンとなった富士通レッドウェーブと対戦する機会をつかんだのが秋田銀行でした。
キャプテンの #18 阿部泉美選手(168cm/SG/東京医療保健大学出身)は、2016年に女子U17日本代表として世界に挑み、翌2017年には女子U19日本代表に選出され、過去最高となる世界4位に輝いたメンバーのひとりです。当時のチームメイトは赤穂ひまわり選手(デンソー アイリス)や馬瓜ステファニー選手(CASADEMONT ZARAGOZA)ら、現在の女子日本代表選手たちが名を連ねます。東京医療保健大学出身では大学チャンピオンとなり、富士通へ進んだ赤木里帆選手や藤本愛紀選手、ジョシュア・ンフォンノボン・テミトペ選手、伊森可琳選手はかつての仲間たち。皇后杯の舞台で再会を果たしました。

その富士通戦で21得点を挙げた阿部選手は、「母校から多くの選手がWリーグへ進み、今はいちファンとして応援しています。皇后杯で同じコートでプレーできることはうれしい反面、やっぱり遠慮せずに向かっていく気持ちもありました。向こうも本気でぶつかってきてくれて、楽しくバスケができたという記憶がすごく残っています」と笑顔で振り返ります。日本一を目指して切磋琢磨した大学時代の経験が、今もなお真剣にバスケと向き合う原動力となっています。
「大学時代はレベルの高い選手が集まった中で、自分のプレーを表現して試合に出る難しさを経験しました。『だからこそ』という言葉を何度も自分の中で考えるようになり、うまくいかないときは『だからこそどうする』、うまくいっているときも『だからこそこうしよう』と、立ち止まって考えることで視野が広がりました。落ち着いてプレーできるようになったのも、大学時代に恩塚(亨)さんから教わったおかげだと思います」
富士通戦は45-105と大差で敗れましたが、「Wリーグのチームや選手たちの取り組み方、体づくりは実際に当たってみないと分かりません。今回も同様に跳ね返されるとは思いますが、それも良い経験です」と佐藤清美ヘッドコーチが言うとおり、実力差を体感しながら、これまでの努力を推し量る貴重な機会です。

11月に開催された皇后杯セカンドラウンド(東北ブロック)前に、ファイナルラウンドのトーナメントが決定。東北代表となれば、三菱電機 コアラーズと対戦できることは分かっていました。「皇后杯に出たい気持ちが強かったですし、Wリーグと対戦できる機会はなかなかありません。絶対に勝って挑みたいと思っていました」と阿部選手はキャプテンとしてチームを引っ張り、東北ブロックを勝ち上がってWリーグチームとの対戦が実現します。佐藤ヘッドコーチは「優勝が義務づけられたチームだった」ときとは違い、秋田銀行では「とにかく出場できたことが嬉しかったです。トップチームと戦える、同じコートに立てる喜びを味わえるだけで幸せです」と安堵します。
佐藤ヘッドコーチは2021-22シーズンまでENEOSサンフラワーズで指揮を執り、皇后杯10連覇の金字塔を打ち立てた名将の一人。当時ともに頂点に立った吉田亜沙美選手は、1回戦の相手である三菱電機に所属。ヘッドコーチにとっても、カテゴリーを越えた再会が実現します。1回戦を勝ち抜けば、古巣ENEOSとの対戦も見えてきます。しかし、お話を伺ったのは社会人バスケ女子SB1リーグで鶴屋百貨店に敗れた後であり、「今日のゲームを見れば、まだまだ遠い夢です。まずは三菱電機にがっかりされないよう、立ち向かう姿を見せたいです」と現実を見据えます。
常勝軍団ENEOSを経て秋田銀行で指揮を取る佐藤ヘッドコーチのもとで、「バスケスタイルが180度変わりました。これまでも走ってはいたんですけど、『さらに走るバスケットはこれだぞ』と清美さんには練習から言われています。もうヘトヘトになり、泣きそうになりながら練習しています。それをコートで表現できたときは、練習で追い込んで来て良かったと思える瞬間です。自分自身も大学ではシューターでしたが、走ってポイントを積極的に獲る幅やスキルも少しずつ磨くことができています」と阿部選手は自身やチームの変化を実感。皇后杯へ向けた秋田銀行の原動力はヘッドコーチへの恩返しです。
「目標は三菱電機に勝ちたいです。なんとか清美さんをENEOSと対戦させたいという想いが選手たちにはあります。そのためにも三菱電機を相手に、自分たちのバスケを表現して立ち向かっていきます。2年前もアランマーレと1回戦で対戦し、それまでの練習試合ではずっと負けていました。でも、皇后杯では開き直って思い切りプレーしたら結果がついてきた経験があるので、あまり考えすぎずに楽しみたいなと思います」
3×3女子日本代表であり、今シーズン開幕間際に三菱電機へ入団した#5 高橋芙由子(163cm/PG/白鷗大学出身)にとっても、かつてプレーした秋田銀行へ成長した姿を見せる1回戦となります。

